メディカル・プロテオスコープはプロテオミクスのエキスパートです。プロテオミクスの技術開発と医学・生物学への応用を軸に事業を展開しています。また、整備した分析手法を研究機関向けの受託分析にも活かし、我が国のオミクス研究のレベルアップに貢献しています。

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多検体プロテオーム解析

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多検体プロテオーム解析

メディカル・プロテオスコープのプロテオーム受託分析

 メディカル・プロテオスコープでは、LC-MS/MS連続測定の試料前処理に磁性粒子を介した自動化技術を導入しています。タンパク質の濃縮から加水分解までの工程を96穴容器の単位で実施し、多検体からでも安定した測定データを取得します。手作業を廃した前処理システムは、プロテオーム解析の応用範囲をさらに拡げます。

 

図1. 磁性粒子を利用した測定前処理の自動化システム

SP3(single-pot, solid-phase-enhanced sample-preparation)法*をもとにした前処理手順を組み込んでいます。*Hughes CS, et al., Nat. Protoc. 2019, 4(1): 68-8.


磁性粒子を利用したタンパク質の濃縮と精製

 磁性粒子を用いた試料調製では、その表面に親水性の官能基を配した常磁性の粒子をタンパク質溶液に懸濁します(図2)。
 懸濁液に有機溶媒を混合するとタンパク質の溶解性が低下し、磁性粒子の表面に結合します。その後、塩類や界面活性剤を含む溶液を除き、粒子上のタンパク質をプロテアーゼで加水分解してからペプチド断片を溶出、回収します。以上の工程を自動化システムの動作プログラムに組み込んで96穴容器単位の同時並行処理を実現しています(図3)。
 回収したペプチド混合物はLC-MS/MSの連続測定に供し、試料間のタンパク質計量比較が可能なLC- MS/MSデータセットを取得します(非標識プロテオーム解析)。

図2. 磁性粒子を用いたタンパク質濃縮と精製の原理


図3. 測定前処理の手順

おもな調製機器の適用ステップを色別で示しました。

自動分注機   磁性粒子用試料調製装置


本分析を活かした分析例

 多数の試料や条件の間でタンパク質組成の違いを統計的に解析する際にとくに有効です。
・培養細胞において、薬剤の曝露によるタンパク質発現の変動を調べる。
・ブルダウン精製物のタンパク質組成の違いを計量比較する。
・リキッドバイオプシー(血液、尿、その他)を用いてバイオマーカーを探索する。
・細胞から培養液に分泌・漏出されるタンパク質群を同定する。タンパク質の濃縮処理に最適です。


おもに使用する分析機器と解析ソフトウェア

磁性粒子用試料調製装置
 KingFisher Apex(サーモフィッシャー)
自動分注機
 ASSIST PLUS(インテグラ・バイオサイエンセズ)
質量分析計
 Q Exactive Orbitrap(サーモフィッシャー)
液体クロマトグラフ
 UltiMate 3000 RSLCnano(サーモフィッシャー)
配列データベース検索
 SEQUEST HT(サーモフィッシャー)
LC-MS/MSデータの計量比較
 Proteome Discoverer 3.0(サーモフィッシャー)


分析成功のために

・試料を準備される前にあらかじめご相談ください。質と量ともに満足いただける分析結果が得られる可能性が高くなります。
・出発試料に含まれるタンパク質の量は、網羅的な分析の場合は10 µgを基準にしています(バックアップ込み)。ただし、これより少ない量でも充分な結果が得られることが多いです。
・分析の成否は試料の状態にも依存しますので、最初は少数試料を用いた事前検討をお勧めします。
・ペプチド混合物の分画やメートル長の分析カラムを組み合わせることにより、タンパク質の同定数をさらに増やすことができます(高深度法)。ご相談ください。

2025年4月9日更新

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